パソコン活用研究万葉の里(お笑い文学、万葉集)

仕事その1

(1) 頭の切り替え(OFFモードと仕事モード)
あなたは、頭の切り替えは早いほうですか。

以前、同業の営業数人と飲んでいた時のこと(いずれも、業界仲間では、なかなかやり手で通っている
営業連中であったが)、家に仕事を持って帰るか、という話になった。

一番若手ながらも、なかなかお客さんから評判の良いのM君が、言った。
「僕は結構、家に仕事持って帰ります。12時位に帰宅しても、ひと風呂あびると気分転換して、
また数時間頑張れます。」
これは、M君らしさのあふれる一言であった。仕事だけでなく、カメラ、サーフィン、スキーと多彩な趣味をもち
短い睡眠時間でも平気なM君。金曜の夜まで長野で仕事して、深夜東京に帰ってボードをつんだらそのまま
海に直行し、土曜の夜帰宅して一風呂あびたら営業報告書を作成する、みたいな生活をしているそうだ。
なんかTVドラマにでてきそうな仕事も遊びもバリバリというタイプだが、本当にいるんだなあ、こういう人。
ともかく、すぐに気分転換のできる質なのである。仕事と遊びの切り替えが早い。若さもあるが、そういう
性質なのだ。
(まったくの余談。彼はまた風呂が好きで、地方の展示会の前日など、夜中まで旅館の露天風呂につかり、
翌朝また4時頃に起きて風呂に行くのを時々見かけた。(草津の尻焼き温泉がおすすめとか))


さて一方、小生の営業の師匠とも言うべきN氏。(N氏は足+頭を使った戦略的な営業をやる方である。事前の
情報収集も高レベルで、僕もいろいろ顧客情報を教えてもらった。)自ら中国に3か月こもって開発もこなす
というスーパー営業マンであるが、N氏はいったん家に帰って、ビールの一杯でもひっかけてくつろぐと、
2度と仕事する気にはなれない、と言う。だから、「絶対、家に仕事はもって帰らない。」という主義だそうだ。

それで、小生。小生はどうかというと、いったん頭をOFFモードにしてテンション下げちゃうと、なかなか
仕事モードに復帰できない質である。だから、家に仕事をもって帰ってもやった試しが無い。小生も基本は、
仕事は全て会社で済ます質である。
だもんだから、仕事に入ると、緊張を高めてテンション上げて、それで終わりまで持っていくようにしている。
仕事中は仕事のことしか考えないようにしているのだ。いつたんOFFモードに入っちゃうと、
あとテンション下がり放しになってしまうので。

前の仕事で小生の営業のテリトリーは、軽井沢、草津、白馬、志賀、清里、たてしななどなどであった。
新緑の季節には、若い芽がすがすがしく、夏の高原の風は心地よく、晩夏には咲き乱れるコスモス、
秋はくれないにそまる紅葉、冬は白銀の世界。
春から夏にかけては、草津と志賀を抜けるルート(浅間山ごえ)や、松本からたてしなに抜けるルートは
下界の騒々しさや暑さから開放されて、最高であった。
秋は色とりどりに染まった山道を駆け抜けていくコース、例えば長野から戸隠方面を経由して白馬にいく
ルートなど、自然のもつ美しさに感動するばかりであった。

とは、言ったものの、前に言ったように仕事中は仕事モードで集中しているので、美しい景色は確かに眼には
入ってくるけど、心には届かない。眼から入ってのどの当たりにつかえているというような感じ、であった。
仕事が気になって、自然の美しさに心を開放しようという気にならないのだが、むしろ小生の場合、あえて心を
閉ざしているという部分もあった。

小生はテンション下げてしまうと、まったくとっちらかってしまう質であるので、
仕事中は眼下にどんなに美しい景色が広がっていようと、どんな美人がめの前にいようと、ほとんど
眼に入れないようにしていたのだ。
これは、ほんともったいない話で、頭の切り替えがすばやくできる質なら、もっと長野の自然を楽しめただろう。

人によっては、切り替えが早くて、仕事しながら楽しめるというタイプの人もいる。
先のM君のみならず、昔、アメリカの農産物展(Agricultural Showcase)で、
「ここに来る途中、1時間ほど余裕があったので、ちょっとハイキングしてきました。」といきいきと語る
アメリカ人に出会ったことがあるが、心底うらやましく思った。(総じて、アメリカ人は気分転換とか、遊び方は
うまいよね) 小生なんか、ハイキングなどしたら、そのあと1日頭がOFFモードできっと仕事にならないだろう。

できれば、仕事と遊びとパッと転換できる、そういうメリハリの効いた質でありたい、といつも思う。


(2) 出張の楽しみ。いいもん食べてるか。意外に地味なもの食べてる食品営業マン

だいたい出張の楽しみと言えば、現地でその土地のうまいもんを食べるというのが、相場である。
長野なら、そば、馬刺し。仙台なら牛タン。

以前、僕は食品の営業をしていた時があったが、営業テリトリーは甲信越だったので、仕事はみな出張で
あった。
そして、仕事柄、はやりの、そしてうわさの、現地でもとびきりのレストランの
情報が集まりやすい立場でもあった。(まあ、ホテルの料理長や、有名レストランのシェフが仕事相手だったり
するから)。

というわけで、知り合いからは、いっつもさそかしいいもん食べあるいていただろう、とよく言われたものだが、
これが結構、コンビニの弁当食ったり、高速のサービスエリアのラーメンだったりすることが多かった。
できるだけフレンチのコースを食べに行ったりという風にしたかったのだが、時間におわれてるんで、
ついついそうなってしまった。

朝、昼とコンビニのオニギリでしのいで、東京への帰路、といってももう夜の10時、11時、長距離トラック
のうんちゃんしかいないSAや、ほこりっぽい田舎道にぽつんと立っているラーメン屋でひとりでラーメン
すすってると、これは結構さびしいものがあった。
開け放たれた窓から外をぼんやりと見ると、月明かりに照らされて、刈り取られた稲の穂先だけが、
白く浮かびあがり、虫のなく声など聞こえてきて。
「俺はこんなところで、何やってんのかな。」という思いとともに、よくラーメンをすすった。




(3) 出張も時には旅よりいい?
以前、僕は不器用だから、出張では楽しめないというような事を書いたが、逆に仕事ならではという事も
ある。特に海外出張など。
仕事で来ているので、のんびり観光とういわけにはいかないが、現地の人と一緒に仕事する中で、
観光では触れることのできないものに出会うことがある。
現地の人と2、3日一緒に仕事をし、一緒に酒をのんだりすると、観光で名所旧跡を見て歩くだけでは
わからないもの、特に文化、そういう文化を生んだ環境、歴史というものがだんだん見えてくる。
時々だが、仕事で来る方が、観光旅行で来るより楽しい、と感じたこともあった。


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