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                  傾向と対策は必要か

子どもたちときたら、「勉強なんかやっても無駄。お父さんだって、仕事の役にたってないだろ」とか「いい大学いったって
何の役にもたたないよ」とか言っております。(親からしてみると、勉強したくない、成績が悪いことの言い訳に
しか聞こえないのですが)
果たして、今時勉強なんてやっても無駄なんでしょうか。
受験に傾向と対策は必要か、あるいは傾向と対策なんて邪道なものなのか、受験勉強って特殊な
勉強であとあと何の役にもたたないムダなものなのか、などなど・・といったまじめ話は
おじさんの姉妹サイトの「本当の学力があれば傾向と対策は不要は都市伝説か」に譲ることに
して、ここでは、もうちょっと主観的(かなり独断と偏見)に書き連ねてみます。
(傾向と対策についての戯言は受験雑感のほうにもに書いてます。読まなくていいです)

職種にもよりますが、個人的には英語が必須であることは言うまでもなく、高校レベルの数学、物理、化学、生物、
それから歴史、現代社会(政経)の基礎的な知識は、まあ仕事をやるうえで必要でしょう、と書いておきます。
(ま、あくまでも職種によりますが)

基礎的な知識は必要なのですが、公式を覚えて問題のパターン別にどう公式をあてはめればいいか(解法のパターン)
というような勉強は点を取るための勉強としては効率的ですが、ビジネスではあまり意味がないでしょう。はっきり
言えば無駄です。というか、学校を卒業して数年、あるいは10年もすれば公式なんて忘れてますし。
どちらかというと、公式自体を自分で導くような勉強のほうがあとあと役にたちます。
ビジネスでは”フェルミ推定”なんてのがよく使われますが、地頭の働きをよくするような勉強のほうが間違いなく
あとあと役にたちます。

まれに仕事で公式自体必要になることもありますが(ほんと、まれですよ)、一度きちんと勉強しておけば、
10年たっても高校の参考書でも買ってきてみなおせばすぐに記憶はよみがえります。(30年たってもだいじょうぶ
かも)
(俺、文系だからさー、数学なんていらないぜー、と言う人が多いと思いますが。万が一、財務部なんかに配属
されて、DCF法による株価算定とか、ブラックショールズモデルによるストックオプションの価値算定なんて話になると
バリバリ数列とか積分とかです。営業企画とかマーケティングでもt検定とかいろいろ統計を使います。
高校レベルを少し超えてるかもーと思える部分もありますが、高校の数学をちゃんとやってれば、まあなんとか
なるでしょう。中学レベルから復習しないと、というレベルだとちっと厳しいかもですが)

というわけで、独断と偏見で言うと、公式覚えて効率よく点とるような勉強は時間の無駄だなあと思います。
さて、話を少し受験ということに進めると、
大学の入試は、その大学がどういう学生に来てほしいかのメッセージでもあるわけですが、
公式を当てはめて解くような問題を出す大学と、公式自体を導き出させるような問題を出す大学(東大なんかは、
円周率自体を求めさせる問題を出していましたね)があります。
これも独断と偏見で言えば、公式自体を導き出させるような問題を出す大学を選んだほうが、あとあといいじゃない
かなあと思います。いろんな事情があるんでしょうが、よく練られた良問を出す大学はその分野に質の高い教授が
そろっているはずなので。(だからと言って、その大学の講義がいいともストレートには言えないのですが)

ということで、本物の学力をつける勉強 = 基礎から徹底して勉強する = ビジネスでも応用がきく、のが後々のためにも
いいんじゃないですか、ということなんですが、一般的には公式を当てはめて解く問題が出されることが
圧倒的に多いので、とりあえず公式丸暗記して効率よく点とる勉強(で、試験終われば公式もきれいさっぱり忘れる)、
あるいは傾向と対策的な勉強も、要領よく大学に入るという観点からはやったほうがいいよね、ということになるでしょう。

このあたりは、どういうキャリアを積みたいのか、その人の人生観により変わる部分も多いので、これは
あくまでもおじさんの独断と偏見の域を出ない意見ということですが。


おじさんの中高生時代を振り返って反省してみるなら、
受験勉強という特殊な勉強があるわけではないが、多少練習したり知っておいたりすべき
受験のためのテクニック(=傾向と対策)はある。傾向と対策も多少とりいれて、効率的な
受験対策をし、空いた時間で、部活や他のいろんなことをやれば良かったと思います

ということです。(痛切な反省です)

ついでに、東大受験については具体的な傾向と対策のアドバイスをちょっと書いておきましょう。
ごくごく基本的なことですが。

受験で失敗したのはまず第一に時間配分です。東大は1科目120分という長丁場なので、つい油断して
1問に時間をかけすぎたあげく、毎回英語と国語は約30%をやり残すという失敗をしてしまいました。
これではいけません。
国語は、2番に数百字の自由筆記の問題がでますが、毎回面白い問題(って何回もうけましたので)
で、ちょっと凝ったことかいたやろうと張り切るとうっかりはまると時間を食ってしまいます。
まずいです。例えば、作家になったと仮定して「病でもうだめだ」と言ってきた
友人を励ます手紙を書け、みたいな問題がでるので、つい凝ったりするとイエローカードです。
採点する人は読んで楽しかったかもしれませんが。
ともかく、これをはじめとして東大の問題は、200字書かせたり、500字書かせたりする問題
が多く、時間配分を考えないと意外と最後がきつくなります。現役の時(だけでなく、一浪めも、二浪め
も)これで失敗しました(て言い訳ですが)。

元来理系志望だったので一番得点源として期待していたのが数学ですが、これは結構難しくて歯が
立たない問題が毎年あります。しかし、これは他の受験生もほぼ同様なので、まあご愛嬌でしょう。
(入学後に聞いたところ結構皆さん80点万点中の10,20点に近い点しか取れていなかったようです)

そして社会。のっけから、弥生遺跡の発掘現場の様子の説明があって、●●について自由に
600字であなたの意見を書け、とか、邪馬台国は九州にあったか、近畿にあったか、あなたの
意見を書け、みたいな問題がでるので、調子にのって自分の意見を書いたりしてしまったのですが、
これは即退場のレッドカード。誰もあんたの意見なんか聞いてない。
(後日談では採点官は、受験生の好き勝ってな回答をみて笑っているとのことですが)
自由にあなたの意見を書けというのが曲者で、実は”自由”に意見を書いてはいけない。
ちゃんと、正解にいたるポイントがあります。
一応諸般の学説の中で、まずまずオーソライズされているものからピックアップして書かないと
バツ。邪馬台国は北海道にある、とか書いたら0点。まあ、当然でしょう。
そんでもって、600字というからには、その中に要求されるキーワードが10個くらいあって、
キーワードをいれつつ書くと、必然的に600字になるようになっている。
こんなあたりも、どう書いたら点が取れるか傾向と対策しておくと、かなり違う部分なんですが、
現役の時は、好き勝手に書いて、キーワード1個で600字まるまる使ってしまった、みたいな
馬鹿な答案を書いてしまいました。(アホ)

それから、日本史では霞ヶ浦から江戸に抜ける水路の存在理由とか、政経ではロメ協定とか、
まったく聞いたこともないような問題がでて、目の前が真っ暗になりました。社会はどんだけ勉強
したら太刀打ちできるのか、暗澹たる気持ちになって、試験後、その足で友人と本屋に直行し専門書
を漁ってみました。ものすごい分厚い専門書などに、ようやくそれらの言葉を見つけて、ため息が
でたのを覚えています。
しかし、ロメ協定なんて知っている受験生はおそらくほとんど皆無で、そういう問題は、教科書の
知識から推論すれば、正解に到達できるはず(とは言っても難易度高いですが)のものなのです。
(ということを知ったのは、傾向と対策を始めた一浪以後のことですが)

浪人後、社会は基礎事項の暗記はもちろん必須ですが、決して暗記科目ではなく、考える科目
だということがわかって、だいぶ気が楽になりました。
(ここらへんの事情は、姉妹サイトの”趣味の宝箱”のほうの、頭を柔らかく(西ローマ帝国の滅亡)
第1次世界大戦と第2次世界大戦の比較あたりにも書きましたので、参照して下さい。)

ちなみに、社会については、浪人して開成とか麻布とかの有名私立の連中と机を並べることになって、
初めて傾向と対策の威力を思い知ることになりました。東大の教官に彼らのOBが多数いるのですが、
そんなOBの情報により、彼らはその年の試験問題作成担当の教官の情報をかなりつかんでいました。
もちろん、試験問題は厳重に管理され金庫の奥底にしまわれますので、問題が漏洩するといことはないの
ですが、だいたい担当教官の専門分野から出題されるのが通例ですので、
今年の問題はどこから出題されるというヤマをはることはできます。多数のOBを東大教官に送り
こんだ彼らのヤマは結構あたっていたようです。社会は考える科目とは言っても、日本史、世界史
は膨大なジャンルがありますので、ヤマをはれれば、直前にはそこだけ集中して復習という作戦
もありでしょう。

社会は2科目選択する必要がありますが、お互いの科目の関連性からすると、世界史・地理の組み合わせか
日本史・政経(現代社会)がいいようです。


英語は自由作文の出題されることが多いのですが、これも凝ったことかいてやろうとはりきって時間浪費しては
いけない。また、文法の間違いは減点されるので、自分が確実にかける英文の範囲内で主張できることを書く。
内容は出題の趣旨にそっていれば平易な内容でいいので。



東大の試験は、基礎を徹底すれば解ける問題と、基礎力だけでは解けない問題=センスを要求される問題
のミックスですが、英語、古文、漢文は基礎を徹底すれば解ける問題、数学はセンスを要求される問題が
多いです。
古文、漢文は東大といえども基礎をしっかりやれば簡単に解けるものばかりで、古文、漢文の基礎力は
簡単につけられるので、ここらへんをしっかりやって確実に得点できるようするのが合格への近道でしょう。

ということで・・

東大2次試験対策のようなことは、「ドラゴン桜検証(誰でも東大に行けるのか」にもちょっと書いてます。

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