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子供の心のコーチング 


SAPIX(サピックス)の情報誌に掲載の、菅原裕子さんの記事より。
SAPIX(サピックス)については、SAPIX, SAPIX2に面白おかしく紹介してみましたが、父母会、塾からの連絡
も頻繁にあり、受験のための学習だけでなく、子供達の生きる総合力を伸ばしていくという観点でも
ちゃんとした塾だなあと感じます。

SAPIXの情報誌をぱらぱらと見ていた時、菅原さんの記事にちょっと自分の子育て、また自分自身の反省
をさせられてしまいました。特に、本当のヤル気は子供自身の中からしかわいてこない、の部分に子供に対して、
部下に対して、そして現在の自分自身に対して、思い当たることが多くて、読み込んでしまいました。

本来、菅原さんは企業の人材開発コンサルタントだそうですが、子供を育てる分野でも、「子供の心のコーチング
などの本を出されています。


生きる力を持った子供を育てるのに、子供に教えたいこととして3つのポイントをあげています。
(1) 愛すること =自己肯定感
(2) 責任
(3) 人の役にたつ喜び

(1) 愛すること =自己肯定感
自己肯定感を育てるのには、親が子供をひたすらかわいがること。無条件の愛情が「自分のこと
が好き」 「自分を、人を大事にしたい」という気持ちをはくぐむ。

(2) 責任
必要以上に子供を守ろうとしない、これが責任を育てる。子供が転んだら、自分で立ち上がるまで、
黙って見守り、転んだら痛いという体験を積ませる。原因を作った子供に、その原因から起こる
当然の結果を体験させ、子供を強く育てる。
責任は、英語でResponsibility というが、Response(反応する)+Ability(能力)、すなわち反応する
能力の意味である。
子供に教えたい責任とは、日常のさまざまな事象や刺激に対して、自分で反応することなのです。
そのためには子供の仕事をとりあげないことが大事です。
例えば、朝子供を起こさないことから始めてみたらどうでしょうか。
子供を自分で「できる人」として扱い、自分でおきることができるように親も協力するから、自分で起きる
ようにする。それで、朝寝坊すればご飯を食べる時間がなかったり、授業に遅れたりと様々な不快感を
味わいます。しかし、原因は自分にあるので、人のせいにすることなく子供は自分であれこれ考えます。
この原因と結果の繰り返しをたくさん味わうことで、責任=反応する能力が育ち、生きる力が伸びていきます。

子供は小学校に上がる頃には、「できる力」を十分に身に着けているので、親はヘルプからサポートへ
スイッチすることが大事です。
「飢えている人がいたら、魚を釣ってあげますか、それともつり方を教えてあげますか」という有名
な質問がありますが、魚を釣ってあげるのがヘルプ、釣り方を教えてあげるのがサポートになります。
ついヘルプしてしまいがちですが、生きる力をはぐくむには親がヘルプからサポートへと変化する
必要があります。


(3) 人の役に立つ喜び
昨今、子供はほめて育てよ、といった考えが主流になっているが、この場合、子供に「ほめられたい
からやる」 「ほめる人がいないからやらない」といった条件つきの愛を与えることになってしまう危険
があります。
これは、最初の無条件での愛=自己肯定感を妨げます。
また、やったのにほめてもらえない、時に子供は傷つき前進する力を失います。

ほめる以外に、叱る、物やお金を子供を動かす動機づけにすることもありますが、これらは全て外
からの働きかけで、子供を動かすしかけです。しかし、本当のヤル気は子供自身の内からしか
わいてきません。
そこで、是非「人の役に立つ喜び」をおしえて下さい。人の役に立つ喜びを知っている子供は、ただ
人の役にたつためにだけ行動を起こします。そのこと自体が喜びですから、見返りを求めません。
人は本来、人に役たちたいと願っています。自分の存在を持って人の役に立つことができるのは
うれしいことなのです。

人の役に立つ喜びを教えるのは難しいことではありません。
家庭では、まず親の役にたってもらうことからはじめるのがいいでしょう。家のお手伝いをして
もらうことです。この時のポイントとなるのが、子供を「いい子ね」とほめるのではなく、「ありがとう」
「助かったよ」と感謝、喜びを伝えることです。

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